2012年1月30日月曜日

開発途上のエネルギー

考え方自然エネルギー(再生可能エネルギー)の普及は
先進国においてどのような意味をもつのであろう?

人間開発の政治経済学 アジア経済研究所  野上裕生著 2007年
がちょうど手元に届いた。

この本の序章は
本書は1990年代以降の開発援助の世界で重要な問題提起をしてきた『人間開発報告書(Human Development Report)』が提案する「人間開発(Human Develpment)」という思想が開発協力・開発研究に与える知的インパクトを素材にして開発理論の未来を考察したものである。
で始まる。

この本を開いて感じたことは、自然エネルギー(再生可能エネルギー)という視点では、発展途上国である先進国、いわゆる発展途上国、いずれにしても、地域の自然エネルギー(再生可能エネルギー)に取り組むことは非常に大きな成長のエネルギーを手に入れるということであるということ。そして、その成長を考えるうえで、「人間開発(Human Developmen)」という思想にインパクトを与えられた開発経済の考え方が発展途上国のみならず先進国においても適用可能なのではないかというインスピレーションだ。

あとは、中身を読んで、実際の社会とちょっとずつちょっとずつ照らし合わせながら理解したいと考えています。

サステイナビリティ・チェーン
→アマルティア・セン
→人間開発
→開発経済学の先進国への適用(新しい成長のエネルギーの適正な育成の仕方として「人間開発」概念のインパクトを与えられた開発経済学の考え方を先進国へ適用)




2012年1月28日土曜日

アマルティア・セン博士の経済学の紹介

これまでに紹介しましたエンリック・テリョ博士のサステイナビリティー・チェーンに関する論文に登場したアマルティア・センという人はいったいどんなひとなのだろという疑問から集英社新書のアマルティア・セン著 大石りら訳 「貧困の克服」という本を買ったのが1年以上前。
ペラペラとめくっていたのだが、何が書いてあるのかよく内容が入ってこないで約半年。
なんとなく糸口がつかめそうな気がしてきたのが数か月前のことだ。

本の中で語られる《東アジアの戦略=人間的発展》
このことが
これから大きな社会転換を地球と地域の環境変化からせまれているわたしたちの社会に必要かつ有効な戦略なのではないかと最近私は考えている。

東アジアの経済の発展プロセスとして
セン博士は
○変革の原動力としての基礎教育が重視されていたこと
○教育・人材養成・土地改革・信用供与などによる基本的エンタイトルメント(人々が十分な食料などを得られる経済的能力や資格)の広範な普及
○開発計画において国家機能と市場経済の効用の巧みな組み合わせが行われていたこと
そして、さらに根本的なこととして、これらの地域における成功の土台となったのは、私たちが生きている世界は多種多様な制度から成り立っていること、さまざまな自由がそれらの制度に依拠しているからこそ自助あるいは他者を助ける能力を発揮しうるということ、そういった暗黙の了解なのです。このさまざまな自由のなかには、市場経済の整備とともに社会的チャンスの創出、社会基盤の充実、個人の潜在能力の発展などが含まれます。という注目に値するいくつかの特色があることを指摘しています。

この小さな本から、学ぶだけの力ももたず。あれこれ、押してみては、学びのヒントを得ている程度の私ですが、ここに書かれた、ほんの少しのことが理解できるような気持になってきたただけでも、今できる制度設計のヒントや今どこに予算をさくべきかなどについてとても大きなヒントがそこにあるのではと感じています。そこにはとても当たり前のことがかいてあるのではなかとおもっていますが、それは、とても骨太で丈夫で力のある知恵なのだと私は思っています。