2009年7月30日木曜日

グリーンニューディールについて考える(1)

5つのエネルギー起源のまとめ(3)に入る前に

グリーンニューディールについて考えよう!!

グリーンニューディールは
3つの異なる時間フレームからなる持続可能な(低炭素)社会づくりの取り組みを
全体の展開がスムーズに行われるよう最適化した経済政策手法のこと

1つ目のタイムスパンは、2050年以降まで続く、化石燃料社会から、持続可能な社会への長期のパラダイムシフト、持続可能な低炭素社会づくりはこのパラダイムシフトの基盤となってくる取り組み

2つ目のタイムスパンは、実質的な低炭素経済が誕生するまでの中期の転換。低炭素経済は、単に、モノを製造したり、サービスを供給するだけでなく、それらのサービスを対価を支払っても交換したいと考える低炭素サービスの消費者の3者が、同時にそろって初めて、自然な価値の交換が行われる。
このような、生産と消費の量が社会や生活を成り立たせ得るだけの一定以上の規模に達し、同時に、現在の拡大と成長に依存しなければ成り立たない経済がスローダウンし、十分に低炭素経済が成長してきたことが認識されるまでの15年~30年間といった中期的な取り組みの内、低炭素経済の芽を育て始める作業

3つ目のタイムスパンは、1つ目のパラダイムシフトの取り組みと、2つ目の持続可能な低炭素経済の芽を育てる作業を、現在の化石燃料社会の仕組みを、そのまま使って応援する取り組み。エコポイントによる家電の買い替えや太陽電池、省エネ自動車、省エネ住宅など、低炭素社会での生活、産業を支えて行くためのインフラともいえる施設や設備を整備するわけである。この仕事は、現在の、経済の仕組みを生かしたまま、生産したり、取り扱ったりする商品や製品を、将来の生活を低炭素で節約型だが、豊かなものにする製品に変えることだけ転換が可能だ!!

20年から30年後には現在の経済は間違いなくスローダウンし、一方でゆっくりだが、堅実な成長を続ける持続可能な低炭素経済が徐々に成長していく。現在活動している多くの企業は、この3番目のタイムスパンの取り組みを企業活動として取り込みながら、CSRなど企業内部の意識改革を実践することで、平行しながら2つ目の低炭素経済への乗換えを果たそうと取り組み始めている。

グリーンニューディールの2つ目の特徴は
グリーンニューディールという経済政策手法が、世界中で同時に採用されつつあるということ。同じ、グリーンニューディールでも、太陽電池産業を成長させたいと考える日本と、広大な国土と多様な自然環境を活かして、風力を中心とする再生可能エネルギーを有効に活用するための、スマートな電力グリッド網の整備と、それら連結するプラグインハイブリッド自動車により国内経済を再生させようとしているアメリカ合衆国、一方、CO2の削減よりも、気候変動による災害の対策と豊かさの実現を最優先していきたいと考える多くの開発途上国のグリーンニューディール。

地域の風土、多様な社会経済状況を抱える地球上の様ざまな国家やコミュニティーが、地球環境問題の存在を知り、どのようにその課題に対処、計画的に取り組んでいくかを内部化し、解決策を実践しはじめた、いくつかの具体的な行動が、日本版グリーンニューディールであり、オバマのグリーンニューディールであると考える。

徐々に、グリーンニューディールの取り組みへの理解が社会に広がり、より合理的な手法の選択が政策の中でも実施されていくことを期待したい。

世界、全体に広がっているグリーンニューディールはグローバルグリーンニューディールとして国連で提唱されている。


つづく
 



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