2011年4月16日土曜日

レジリアンス(回復力・復興力)を追加しよう!!




















私たちが、地域で行っている小さなプロジェクト”エコの木プロジェクト”では
これまで、
●省エネ普及指導員を地域に多数養成する地域環境人材育成プロジェクト
●独立型太陽光発電をみんなで学んで太陽エネルギーで電動バイクを走らせるソーラーバイクプロジェクト
●ゴーヤで楽しく、夏を涼しく過ごそうという緑のカーテンプロジェクト
を実施しています。

その取組みの中での東日本大震災が発生しました。
東日本大震災から1か月以上が過ぎ、これまでの活動を復帰させるにあたって今考えることは
現在の経験とこれまでの活動をどのように結び付け
改めて、自分達の活動をどのように意味のあるのものにしていくかということです。

この絵はまだ、皆で議論したわけではない、まだ方向性という書き方になっている図です。
今回の震災を受け、被災した地域、被災した日本、被災した社会が、改めてそれぞれの進路を模索する時に、何か考えるきかっけになればと思ってのせてみることにしました。
持続力の延長線上には生態系の回復力・復興力(レジリアンス)が存在し、それらは、私達の世界に様々な形で人的・社会的、物的な”ばね”として蓄えられています。それらは身近な家族や地域の中にも存在し、あるいは遠く離れた異国の地域に存在することもあります。
レジリアンスは生態系(世界)に何らかの大きな衝撃・変化が発生すると、ばねのようにはじけて、様々なパスを通り、その勢いを活用して、速やかに回復のベースを構築していくのではないかと思います。
サステイナビリティ・チェーンはそのパスの一つともとらえることができそうです。
災害が発生したとき、そのパスが確認され、蓄えられたばねの力が伝達されます。
ばねの力には、速やかに機能する即効性のばねと、ゆっくりと芽を出す緩効性のばねがあるのかもしれません。
何はともあれ、せっかく植えたエコの木を、さらにしっかりと育てて、社会の回復力を担えるように育てていくことが私達の務めであると感じつつあります。
ゆっくりですが、少しずつ前進です!!



2011年3月26日土曜日

サステイナビリティ・チェーンの活用












 バルセロナ大学のエンリック・テリョ教授の論文の”サステイナビリティ・チェーン”という考え方(視点)をわかりやすい(?)図にしてみました。私達ひとり一人は、自然のシステム、家族、コミュニティー、国家(行政)、市場といった様々なサスティナビリティーに必要に応じてアクセスしながら日々を生きている。ここで、大きなツナミによって自然のシステム、家族、コミュニティーとの絆が断たれてしまった時。テリョ教授は、ツナミ災害によって複数のサステイナビリティーとのチェーンが同時に断たれてしまった状態であると定義している。
 東北関東大震災においては、一人ひとりの私に国家(行政)や市場、多くの拡大されたコミュニティー(ボランティア等)からの支援の輪が広がっている。一方、地震・ツナミは一定の収束状態に入れば、耕作や漁業の再開、観光事業など再び、ひとり一人の私と自然システムとのアクセスは回復状態に移ることが可能である。通常の自然災害の場合、自然システムへのアクセス回復は数週間から数か月、あるいは数年程度であると考えられる。しかし、原子炉災害が加わった連鎖的複合災害である、今回の震災の場合、自然システムへのアクセスの回復までの期間の見通しがいまだ立たないことに復興の妨げとなる非常に大きな問題が生じている。
 サステイナビリティ・チェーンは、私達一人ひとりが、自らの外に存在する多くのサスティナビリティーとの間にもともと存在しているつながりが傷ついたり遮断されたりしてはいないかを再確認する上で重要であり、その為には、一つ一つのサステイナビティーとのつながりの注意深い観察(サスティナビリティー・チェーンの注意深い観察)が大切であることをテリョ教授は指摘している。
 今回の震災のような長期化が予想される一人ひとりの復興までの道程を、私達一人ひとりがあるいて行く中で、一人ひとりや一つ一つの地域のサスティナビリティー・チェーンの注意深い観察の繰り返しが、震災にあった地域の人、直接震災で被災しなかった地域の人にとっても、一人ひとり全員の復興のための大切な道程となってくるのではないかと思う。