2009年7月23日木曜日

5つのエネルギー起源(9)まとめ2


世界の人口動態は現在の68億人から90数億人に膨れ上がる。
現在からみれば、2050年の段階で1.3倍以上の増加だ。

もちろん、2050年までには、世界の生活水準も
現在よりも、より平準化されてくるだろうし、

私達の将来の生活を設計するには、
地球上のエネルギー・資源を、
世界の全住民と平均で割った数字を知っておくことを
基本的な大前提としておかなければならない

その数字を、前提とした上で、地域や文化の特殊性や多様性とのバランスで
その数字が上下するのだと思う。

そのばらつきの幅は、温かい国や地域なら、暖房に使われるエネルギーが少なくなるだろうし
寒い、極寒の地域なら、その寒さの中で人間が、活発に活動をしてくために十分なエネルギーが必要であろう。

添付した図は、2008年5月に行われた第2回つくば3Eフォーラムの報告書から引用したものだが
スウェーデン ベクショー大学教授 Bjorn Zethraeus(ビョルン・ゼスラエウス)博士の説明によれば

世界の陸地を60億人の世界の人口で割って、その土地の特性を、おおよそ一人あたりの陸地面積をサッカーコートの広さを使って、わかりやすく説明したものだ。
説明によれば、
①世界の陸地を人口60億人で分割すると約サッカーコート3.5面の広さになる。
②このうち1面分の広さは、砂漠と氷と植物の育たない高い山々だ。
③さらにもう1面は森林地帯となる。
④3枚目のコートは、やはり農業生産には向かない乾燥した気候だ。
⑤ようやく残り反面が、農業生産が可能な土地になるが、その大半が牧畜に利用されている土地だ。
⑥最後に残された、サッカーコートのペナルティーエリア1個分の土地が、栽培に利用され、そこでは、綿、コーヒー、ジャガイモ、お米、とうもろこし、小麦、亜麻(繊維用)などが栽培されている。
ということだ。
2050年を考えると、一人当たりが使える土地は、この65%近くまで減少してしまう。

エネルギーについても同様のことが言え、ただ単に、現在のエネルギー利用を据え置きのまま、新しいエネルギー起源に切り替えるだけでは、世界の増加し、平準化されるエネルギー利用を支えていくことはまったくもって不可能な話なのだ。

それ故に、エネルギー起源の転換の前には、必ず、自分達が、実際にどのような起源のエネルギーをどのように生活や仕事の一つひとつの用途に用いていて、どれだけ役に立っていて、一方で、どれだけ必要のないことをやっているのかまで、丁寧に、繰り返し、しっかりと、見ていく必要があるわけだ。

これまで、あまり気にかけてこなかったことや、できる限り見ないようにしてきたことに直接向き合うことのできる機会を設けることで、これまで忘れていた何かを取り戻す機会も得られるだろう!!

立ち止まって見つめる作業は、立ったまま、現在の位置から、自分達の向かうべき方向を変えることにつながる。

補足だが、牧畜も含むが、一人あたりサッカーコート半面の65%が使えると考えるならば、
4人家族ならサッカーコート1面強、多少、肉や乳製品は食べられなくなるかもしれないが、
大きな家庭菜園で自給自足と思えば、案外楽しい未来の姿が描けてくる!!

全部の面積で、食べることのできないトウモロコシを作って、自動車を数回分だけ満タンにして
後は、1年間、家族全員、何も食べないでいることと

どちらが楽しそうですか?

自給自足の生活を考えてみるならば、2050年の持続可能な低炭素社会の生活は、結構面白いかもしれない。




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