2009年7月14日火曜日

5つのエネルギー起源(2)太陽エネルギーのフロー(バイオマス)

太陽エネルギーのフローの地球上での滞在形態の重要なもう一つが”バイオマス”だ!!

バイオマスは、生物資源という言葉が日本語訳としてあてはめられているが
バイオマスは、資源という意味だけではなく、植物体や動物の体や排泄物など、(地球上に住む)生物体のすべてを対象として指すことのできる言葉だ。
だから、僕の体もバイオマスであり、菜の花の花や茎や実もバイオマス、牛や豚のおしっこや糞もバイオマスだし、ミジンコや池の中の微生物、はたまた、太平洋の鯨や、カジキマグロ、磯のアオサやイソギンチャクなんかも皆なバイオマスだ!!

毎年植物が光合成で固定できる太陽エネルギーの量は
太陽エネルギーのフローの0.1%
ただ0.1%といっても世界全体の1年間の消費エネルギーの10倍のエネルギーだ!!

植物の光合成は同時に大気中のCO2太陽エネルギーと共に固定する

植物は、それを食べる動物などバイオマスは、枯れたり、死んで腐敗して分解する時にCO2を再び大気中に吐き出す。

植物の光合成で蓄えられたエネルギーは、ほんの一部は、薪のように直接燃焼され、再び空気を暖めたり光のエネルギーになって宇宙に飛び出し、
多くの太陽エネルギーは、エネルギーは、植物や動物を食べる他の生物や非常に多くの微生物によって生きる糧として消費され、生体内の化学反応に用いられ運動エネルギーや熱エネルギーに転換された後、やはり熱エネルギーとなって、大気へと放出される。

だから、キャンプで薪を燃やした時の熱や炎の明かりも、源をただせば、太陽エネルギーのフローであるし、私達が、ご飯を食べて毎日の仕事や子育て、読書や、かけっこに使っているエネルギーもすべて太陽エネルギーのフローなんだ。

バイオマスエネルギーは、太陽エネルギーの内、光合成に利用できる、一部の光エネルギーが、糖という形で化学エネルギーとして固定されたものだけれど、ほとんどの生き物を直接、動かし、活動させているエネルギーは、ほぼ完璧に太陽エネルギーのフローが起源なので、実は、私達、生物は、仮に石油がなくても、毎年ちゃんと降り注ぐ太陽エネルギーがあるならば、生命活動を続けることができるのである。

石油だらけで食べ物を生産や輸送はしてはいるけれど、結局、私達を生き物として生かしているエネルギーの源は、バイオマスであり太陽エネルギーのフローだったんだ!!

このことは、これから石油を中心とする化石燃料への依存を減らす”低炭素社会”を作ろうという私達にと非常に勇気を与えてくれる。

これまで、『学校では、石油がなければ生きては行けない』って教わってきたのが、実は、『ちゃんと毎日、地球上、ばらつきはあるけれど、一人ひとりに公平に降り注ぐ太陽と、それで育ったバイオマスがあれば結局は生きて行けるんだ』に考え方の変化が起こったんだから・・・

あとは、それをどう実現すればいいのかを考え、少しずつ実践し身につけていくだけ

大勢の人を変えることは簡単ではないけれど、身近なところから、自分の生活を変えていくことは簡単なことだから!!



バイオマスに非常に大きなスペースを割きバイオマスのエネルギー的な側面について示してきたが、バイオマスには、エネルギー以外にも、CO2の貯蔵庫としての役割、酸素の供給源としての役割、多様な生物が生きる多様な環境を生み出し、生命が生きる場所を生み出す役割、分解者としての機能等様ざまな重要な特長がある。

持続可能な低炭素社会という側面から見ると、物資循環、自然共生、安全安心という重要な要素と不可分に結びついているため、バイオマスについては別の項目を設けてさらに議論を深める必要があるだろう。





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