これまでに紹介しましたエンリック・テリョ博士のサステイナビリティー・チェーンに関する論文に登場したアマルティア・センという人はいったいどんなひとなのだろという疑問から集英社新書のアマルティア・セン著 大石りら訳 「貧困の克服」という本を買ったのが1年以上前。
ペラペラとめくっていたのだが、何が書いてあるのかよく内容が入ってこないで約半年。
なんとなく糸口がつかめそうな気がしてきたのが数か月前のことだ。
本の中で語られる《東アジアの戦略=人間的発展》
このことが
これから大きな社会転換を地球と地域の環境変化からせまれているわたしたちの社会に必要かつ有効な戦略なのではないかと最近私は考えている。
東アジアの経済の発展プロセスとして
セン博士は
○変革の原動力としての基礎教育が重視されていたこと
○教育・人材養成・土地改革・信用供与などによる基本的エンタイトルメント(人々が十分な食料などを得られる経済的能力や資格)の広範な普及
○開発計画において国家機能と市場経済の効用の巧みな組み合わせが行われていたこと
そして、さらに根本的なこととして、これらの地域における成功の土台となったのは、私たちが生きている世界は多種多様な制度から成り立っていること、さまざまな自由がそれらの制度に依拠しているからこそ自助あるいは他者を助ける能力を発揮しうるということ、そういった暗黙の了解なのです。このさまざまな自由のなかには、市場経済の整備とともに社会的チャンスの創出、社会基盤の充実、個人の潜在能力の発展などが含まれます。という注目に値するいくつかの特色があることを指摘しています。
この小さな本から、学ぶだけの力ももたず。あれこれ、押してみては、学びのヒントを得ている程度の私ですが、ここに書かれた、ほんの少しのことが理解できるような気持になってきたただけでも、今できる制度設計のヒントや今どこに予算をさくべきかなどについてとても大きなヒントがそこにあるのではと感じています。そこにはとても当たり前のことがかいてあるのではなかとおもっていますが、それは、とても骨太で丈夫で力のある知恵なのだと私は思っています。
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