バルセロナ大学のエンリック・テリョ教授の論文の”サステイナビリティ・チェーン”という考え方(視点)をわかりやすい(?)図にしてみました。私達ひとり一人は、自然のシステム、家族、コミュニティー、国家(行政)、市場といった様々なサスティナビリティーに必要に応じてアクセスしながら日々を生きている。ここで、大きなツナミによって自然のシステム、家族、コミュニティーとの絆が断たれてしまった時。テリョ教授は、ツナミ災害によって複数のサステイナビリティーとのチェーンが同時に断たれてしまった状態であると定義している。
東北関東大震災においては、一人ひとりの私に国家(行政)や市場、多くの拡大されたコミュニティー(ボランティア等)からの支援の輪が広がっている。一方、地震・ツナミは一定の収束状態に入れば、耕作や漁業の再開、観光事業など再び、ひとり一人の私と自然システムとのアクセスは回復状態に移ることが可能である。通常の自然災害の場合、自然システムへのアクセス回復は数週間から数か月、あるいは数年程度であると考えられる。しかし、原子炉災害が加わった連鎖的複合災害である、今回の震災の場合、自然システムへのアクセスの回復までの期間の見通しがいまだ立たないことに復興の妨げとなる非常に大きな問題が生じている。
サステイナビリティ・チェーンは、私達一人ひとりが、自らの外に存在する多くのサスティナビリティーとの間にもともと存在しているつながりが傷ついたり遮断されたりしてはいないかを再確認する上で重要であり、その為には、一つ一つのサステイナビティーとのつながりの注意深い観察(サスティナビリティー・チェーンの注意深い観察)が大切であることをテリョ教授は指摘している。
今回の震災のような長期化が予想される一人ひとりの復興までの道程を、私達一人ひとりがあるいて行く中で、一人ひとりや一つ一つの地域のサスティナビリティー・チェーンの注意深い観察の繰り返しが、震災にあった地域の人、直接震災で被災しなかった地域の人にとっても、一人ひとり全員の復興のための大切な道程となってくるのではないかと思う。
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